車体整備士とは?仕事内容や資格の取得方法、自動車整備士との違いについて解説 | 株式会社ダウイン

車体整備士とは?仕事内容や資格の取得方法、自動車整備士との違いについて解説

2022/10/27

自動車整備士の種類のひとつに、「車体整備士」という資格があります。車のボディやフレームなど、外装に関わる業務に携わるなら取得しておきたい資格です。車体整備士は、自動車整備士とどのような違いがあるのでしょうか。この記事では、車体整備士の仕事内容や資格の取得方法などについて解説します。


目次





車体整備士とは?

車体整備士とは、一体どのような資格なのでしょうか。
仕事内容や自動車整備士との違いなど、基本的な情報をご紹介します。

車体整備士とは特殊整備士資格のひとつ

車体整備士とは国家資格で、自動車整備士の中にある特殊整備士資格のひとつです。
特殊整備士の資格は他に、「電気装置整備士」と「タイヤ整備士」があります。
車体整備士は、自動車の外装の整備・修理、板金塗装などを行うスペシャリストですが、特に資格がなくても実務に携わることが可能です。
車体整備士資格を取得することは、技能と知識を持っている証明になるため、職場や顧客からの信用を得ることにつながります

車体整備士の仕事内容

車体整備士の仕事内容は、自動車のフレームやボディなどの車体を点検・整備、損傷の修理を行うことです。
交通事故などで損傷した部分を、修理作業や交換作業によって、新車同様の状態まで修復します。
車の内部を整備するより、フレームやボディなどの外装に興味のある人や、板金塗装を専門的に取り組みたい人に適している仕事と言えます。

自動車整備士との違い

自動車整備士は、車のエンジンや足回り、電気系統などの点検・整備、修理が主な業務内容です。
定期的に点検を行い、故障や不具合箇所を修理して、走行の安全性を確保する役割を担います。
一方、車体整備士は、外装部分の点検、修理を専門としているため業務内容は大きく異なります。



車体整備士の適性・就職先・年収

車体整備士の適性、就職先、年収面について、自動車整備士との違いや共通点などを含めてご紹介します。

車体整備士の適性

事故などによって損傷のある車を修復するには、几帳面さや手先の器用さが求められます。
板金塗装の技術習得には長い時間がかかるため、忍耐強く取り組むことが欠かせません。
また、顧客からボディやパンパーなど、外装のカラーリングやデザインを依頼されることもあります。
技術やデザインセンスを高めていくには、向上心や探究心を持ちつづけることが大切です。
自動車整備士と同様に、自動車の安全を守る責任感と、地道な作業に耐えられる体力が必要となります。

車体整備士の就職先

車体整備士は専門性の高い職種であるため、車の外装修理を専門にしている板金工場や、事故車の取り扱いが多い損害保険会社などでの需要が考えられます。
また、自動車整備工場やディーラーにおいても活躍の場はあります。
ただし、会社によって取り扱っている業務が異なるため、就職活動を行う際にはしっかりと情報収集をしましょう。

車体整備士の年収

車体整備士の年収について、データを公開している機関がないため不明です。
自動車整備士や板金工の平均年収が約400万円程であることから、車体整備士の年収も同程度であると考えてよいでしょう。
しかし、勤め先の企業や工場、自身のキャリアによって年収は異なります。
大手のディーラーや大きな規模の工場だと、平均より高めの年収の見込みがあります。
一方、まだキャリアが浅かったり、小さな工場に勤めていたりする場合だと、平均以下の年収になることも考えられます。




車体整備士の資格を取得するには

車体整備士は、自動車整備士と同様に国家資格です。
しかし、自動車整備士のように1級、2級、3級といったレベル分けはありません。
特殊整備士という分類の中の「車体整備士」資格になります。
一般的に、自動車整備士の資格取得後に特殊整備士を取得しますが、養成課程のある学校に通うことで同時に取得することも可能です。

車体整備士の受験資格

車体整備士の受験資格を得るには、以下のいずれか1つの条件が必要です。

  • 自動車整備系の専門学校や認定大学の特殊整備士課程を卒業していること
  • 自動車整備系の専門学校や認定大学の2級整備士課程を卒業後、実務経験が1年以上あること
  • 2年以上の実務経験があること

これらの受験資格は、他の特殊整備士資格である「電気装置整備士」と「タイヤ整備士」にも適用されます。

技能検定試験と登録試験

車体整備士の試験は、「技能検定試験」と「登録試験」の2つがあります。
「技能検定試験」は、国土交通省が行う試験です。
「登録試験」は、国土交通大臣の登録を受けた登録試験実施機関が行う試験です。

どちらの試験で合格しても、車体整備士の資格を取得することができます。
「登録試験」で学科と実技試験に合格した場合、「技能検定試験」の受験が免除されます。
ただし、2年以内に「学科試験免除申請」と「実技試験免除申請」の免除申請を行わなければなりません。

※試験地は受験者数によって変更することがあります。

車体整備士の試験内容

車体整備士の試験は、学科試験と実技試験の2つを受験する必要があります。

(引用:試験の内容/国土交通省)
(引用:自動車整備技能登録試験のご案内(令和4年度)/一般社団法人日本自動車整備振興会連合会)

車体整備士の合格率

車体整備士の学科試験の合格率は、平均90%前後で推移しています
他の自動車整備関連の合格率(50~90%台)を比べると高い合格率です。
この結果から、日頃の学習や業務を通して基礎的な知識が身についている証と言えるでしょう。

 令和元年度第2回  96.0%
 令和2年度第1回  88.9%
 令和2年度第2回  97.1%
 令和3年度第1回  86.0%
 令和3年度第2回  95.9%

(引用:試験結果/一般社団法人日本自動車整備振興会連合会)



車体整備士と自動車整備士、両方取得する選択肢もある

車体整備士と自動車整備士は、取り扱う仕事内容が大きく異なります。
自分の興味や関心、目指すキャリアの方向性から、どちらの資格を取得するのか考えましょう。

「車の板金塗装に興味があるけど、自動車の機械整備もできるようになっておきたい」と、どちらにするか迷っている場合、両方の資格を取得する選択肢もあります。
先に自動車整備士の資格を取得して、後から車体整備士を目指すことは可能です。
各都道府県にある自動車整備振興会技術講習所では、自動車整備士の実務経験がある人を対象に車体整備士を養成しています。
授業は夜間に行われていることが多いため、昼間に整備工場などで働きながら通うこともできるのです。

自動車整備士と車体整備士の両方の資格を得ることは、総合的に車のメンテナンスを行う技術を持っている証拠として、就職活動を有利に進めることができるでしょう



 

まとめ

車体整備士と自動車整備士は、どちらも車に携わる仕事ですが、仕事内容や適性、資格などが異なっています。
先に自動車整備士の資格を取得して、後から車体整備士を目指すことも可能です。
自分はどちらに興味があるのか、向いているのかをよく考えた上で、目指す方向を検討してみましょう。

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