ディーラーで働く自動車整備士とは?仕事内容や年収などを解説 | 株式会社ダウイン

ディーラーで働く自動車整備士とは?仕事内容や年収などを解説

2021/12/24

自動車整備業界の中で、ディーラーで働く整備士は年収や待遇が良いとされています。しかし、実際のところはどうでしょうか。自動車整備士は、働く場所によって仕事内容や待遇などが異なります。そのため、今後どのようにステップアップするのかも変わってきます。この記事では、ディーラーで働く整備士について解説します。
 

目次





ディーラーとはどんな存在か?

自動車は、自動車メーカー自体が直接販売しているのではありません。ディーラーという、自動車メーカーと特約店契約を結んだ会社に販売業務を委託しています。
ディーラーは、自動車を販売するだけに留まらず、整備や点検、車検など購入後のアフターケアまでを行うサービスを提供しています。



ディーラー整備士の仕事内容とは?

ディーラーで働く自動車整備士の仕事内容は、ディーラーが販売した自動車の整備・点検を行うことです。このほかにも、エンジンオイル交換やバッテリー交換、ブレーキの点検のような一般的な整備業務を行います。さらに、エンジンやトランスミッション交換など重整備を行うこともあります。
しかし、最近では品質の向上により、大きな故障が起こりにくくなっていることと、古すぎる車を取り扱うことがないため、ディーラーで重整備をする機会はあまりないといえます。

ディーラーならではの業務として、販売した車にオプションを取り付ける作業やリコール対応などが挙げられます。
ディーラーが契約を結んだ、特定メーカーの整備を行うことから、取り扱う車種が限定されています。そのため、メーカーに特化した技術を身につけることができる環境といえます。



ディーラー整備士の仕事の流れ

ディーラーで働く自動車整備士の仕事の流れは、その日に担当する業務について、前日までにスケジュールが組まれています。営業マンが予約を取った分などの日程が埋まっているので、翌日に何台、仕事が入っているか前もって把握することができます。


車の点検・整備

店舗の大きさによって違いはありますが、だいたい平日は20台ほど、土日祝で30台以上の予約が入ります。
そのため整備士は、1台あたり1時間程度で作業を完了するよう求められることが多いです。その内訳ですが、24ヶ月点検を例に説明します。まず車の点検を行い、お客様に結果を説明します。部品交換の必要があれば、その相談もいたします。例えばブレーキパッドが減っていたので交換しませんか?といったことです。追加の整備作業を行い、自動車検査員による完成検査があります。最後に洗車、室内清掃を済ませ、お客様に納品します。これ以外にも記録簿の記入なども含めてトータル1時間ですので、車の点検作業は実質20~25分ほどになります。


オプション・パーツの取り付け

点検・整備を夕方まで行った後、ディーラーで販売した車にオプションの取り付け作業を行います。カーナビの取り付けだけでも、1台あたり1時間~1時間半ほど要することが多いです。その他パーツの取り付け作業も行います。日によって2~3台受け持つため、残業時間は多くなります。


サービスフロント業務

また、予約をされていないお客様が急にやって来ることもあるので、予定通りに仕事が進まないこともあります。車の故障やトラブルは、誰にも予測できないため、仕方のない面があります。このような不測の事態が起こった場合、サービスフロントと呼ばれる人が臨機応変に対応して、現場が円滑に回るよう調整します。サービスフロント自身も整備士ですので、業務を熟知しています。



ディーラー整備士の年収とその理由

自動車整備士の中で、ディーラーで働く整備士は給料が良いという話を耳にしたことがあるのではないでしょうか。調べたところ、自動車整備士全体の平均年収は、約396万円。ディーラーで働く自動車整備士の平均年収は、約466万円でした。自動車整備士全体の平均年収より70万円ほど高いことがわかります。

これは、ディーラーで働く自動車整備士の労働時間が長いため、業務量の多さが給料に反映された結果といえます。長時間労働でも高い給料を求める方は、ディーラーで働くことを選択する傾向にあるようです。
ディーラーには、ディーラー独自の資格があり、取得することは昇給につながります。また、現場で整備士として活躍しつづけるよりも、昇進する方がより収入を増やすことができます。サービスフロントや工場長を目指すことも、その一つといえるでしょう。

(引用:令和2年度 自動車特定整備業実態調査結果の概要について/自動車分解整備業実態調査結果概要/日本自動車整備振興会連合会)



ディーラーで働く自動車整備士の休日

ディーラーの整備士は、土日祝に休みが取れないといったイメージを持たれている方が多いかもしれません。しかし、配属される工場によって休日は変わってくるため、一概にそうともいえません。
まず、整備工場には「認証工場」と「指定工場」の2種類があります。


認定工場の休日

認証工場には、工場の中に車検のための検査ラインがないので、陸運局に車を持ち込む必要があります。陸運局は土日祝が休みですので、認証工場の中には平日だけ営業し、土日祝が休みのところがあります。


指定工場の休日

一方、指定工場には検査ラインがあるため、工場の中で車検を通すことができます。
整備士の休日は、ディーラー店舗の定休日に合わせた形になります。そのため土日祝は出勤し、月曜日・火曜日が定休日となることが多いです。
お客様は土日祝に車を持ち込む事が多く、基本的に休みを取ることは難しいと考えておくほうがよいでしょう。
しかし、平日休みだと、銀行や役所の用事のために仕事を休む必要がなく、どこか遊びに出掛けても混雑に遭いにくいといったメリットがあります。

いずれも休日日数は、週休2日制、または月6日~8日のシフト制。年間休日は105日~110日程度に設定されていることが多いです。
ディーラーは、ゴールデンウィークやお盆休み、年末年始に店舗を閉めるため、長期休暇を取りやすい環境にあります。
ただし、中小のディーラーや独立系のディーラーの中には、一年中休まず営業を続けている店舗もありますので、求人を探す時はよくチェックしてください。



ディーラーと民間整備工場の違うところは?

民間整備工場では、国産車のみならず輸入車や様々なメーカーの自動車を取り扱います。修理や点検など、対応する業務はディーラーに比べると多岐にわたります。
取り扱う業務内容は、工場によって異なります。修理を専門とする工場や、整備からチューニング、カスタムなどを扱う工場など多種多様です。
規模も少人数で行っている工場から、チェーン展開している大規模な会社までと様々です。民間整備工場の数は多いため、仕事を探しやすいといったメリットもあります。
しかし、小規模の工場では、受付やお客様対応、納車、事務、営業などの業務を兼任しなければならないことも珍しくありません。

ディーラーの場合、所属部署ごとに業務が明確に分かれているため、整備業務に専念することができる環境にあるといえます。
取り扱うメーカーは基本的に1社ですので、そのメーカーに特化した最新技術を身につけることができます。資格取得や研修などスキルアップできる制度が整っているのも特徴です。また、新車を取り扱っているため、営業マンがお客様に買い替えを勧めることにより、極端に古い車の点検や修理をすることはありません。
しかし人によっては、数年で一通りの技術を身に着けたところで、マンネリに感じるかも知れません。



まとめ

以上、ディーラーで働く整備士について解説しました。働く上で、給料や待遇などを重視することは大切です。しかしながら、ディーラーで働く大きな決め手になるのは、やはりそのメーカーの車が好きだという気持ちや、興味・関心を持っていることではないでしょうか。働きたいと思える環境で仕事をすることは、やりがいを得られたりスキルを磨いたりと自身を成長させ、結果的にお客様の満足度にもつながるでしょう。

ディーラーとひとことでいっても、企業によって仕事内容や特徴など異なる面はあるので、求人情報や企業HPの採用ページなどをチェックしてみてください。